気候変動への懸念が高まる中、地球上のすべての人と組織は、二酸化炭素排出量をできる限り抑えることが求められています。責任ある行動は、もはや選択肢の一つではなく、必須項目なのです。そこで、より多くの木製品を使用することで、建物の持続可能性を簡単に高められるかもしれないというのはご存知でしたか?
ですから、筆者と同じように、地球のより持続可能な未来に貢献したいと考えている方は、サステナブルな木材の見分け方を学んで、新しいフローリングやクラッディング、ウッドデッキ材を購入する際によりふさわしい選択ができるようになりましょう。
ご存知の通り、持続可能性という観点からみた木材というテーマはとても複雑です。世界各地の木々が急速に失われる中、木材の環境特性だけではなく、世界中の森林を保護するために行動することが、私たち人間の務めなのです。
【木材が環境にやさしい理由】
建築材料は、木材以外にもたくさんの種類があり、それぞれに長所と短所がありますが、木材ほどピカイチの実用性、入手性、持続可能性を兼ね備えている材料はありません。ここでは、木材が持つ環境面におけるメリットについて紹介していきます。
再生可能かつリサイクル可能な資源であるから
金属、ポリマー、石、レンガなどの他の建築材料と比較すると、木材にはいくつかのメリットがあります。中でも最も注目すべきメリットは、持続可能な資源であるという点です。天然資源である木材は、植林や持続可能な林業を通じて、その資源を再生することができます。
私たち人類はいま、持続可能な森林経営に貢献することを目指しており、この分野で先導的な役割を果たしている木材メーカーも何社かあります。というのも木材は、建築材料としての役割を終えた後、再利用、リサイクル、ダウンサイクルすることが可能だからです。
環境負荷が低いから
製造時の二酸化炭素排出量を比べると、1,000kg生産するごとにレンガは300kg以上、鉄は2,000kg以上のCO2を排出するのに対し、木材の場合は100kg以下とかなり低い数値です。これに加えて、さまざまな建築材料が生涯にわたって環境に与える影響を比較した研究によると、大気や水への汚染量、廃棄物の発生量、エネルギーや生態系資源の使用量の観点からみても、木材は最もダメージが少ないことがわかっています。
鉄鋼、ポリエステル、レンガなどの他の建築材料は、寿命が尽きて廃棄する際に、多くの労力と物資を必要とします。一方、木材は、それに比べると、寿命時の体積エネルギーがより少ないのです。また、樹皮や削りかすなどの木材副産物は、製造工程で消費されるエネルギーを補うために、バイオ燃料として活用することもできます。
自然に分解されるから
木材は、建築材料として使用し、将来の建物や住宅設備に活用することができます。木材であれば、その寿命が尽きてしまった後でも、土に還すために特別な技術を用いる必要はありません。適切な環境さえ整えば、自然に分解されていくので、コンポスティング(堆肥化)にも適しています。
一方、プラスチックは、その分解に最大1,000年もかかるといわれており、鉄やコンクリートは、バージン原料よりかは少ないものの、リサイクルやダウンサイクルのために大量のエネルギーを消費してしまいます。